【Amazon Prime Day 直前対策ガイド】セール前の対策がセールを制す!広告運用8つのポイント
- 執筆者:
- 村田 慎二
Amazon Prime Day(以下、Prime Day)は、プライム会員向けに年1回・夏季(例年7月)に開催されるAmazonの最大規模のセールイベントです。2025年は先行セールが7月8日(火)〜10日(木)、本セールが7月11日(金)〜14日(月)の合計7日間にわたって実施され、過去最長のPrime Dayとなりました。
ブラックフライデーが年末商戦を起点とした「ギフト需要」に強い全小売業横断のイベントであるのに対し、Amazonが主導するPrime Dayはプライム会員限定のイベントで、日用品・消費財・ガジェット類への「自分買い」「まとめ買い」が集中するという特徴があります。他ECプラットフォームでも対抗セールが実施されますが、Amazon内においてはPrime Dayこそが夏季オンライン購買の最大の商機です。
広告運用の観点では、セール期間中は競合の入札激化によりCPCが高騰する傾向にあります。一方で、ユーザーの購買意欲も高まるため、高いCTRやCVRが見込めます。この特殊な商戦期で費用対効果を最大化するには、適切な事前準備と戦略的な予算配分が欠かせません。本記事では、Amazon広告担当者が押さえるべき対策を8つのポイントにまとめて紹介します。
Prime Day期間中の生活者動向を理解する
セール慣れによる購買行動の変化
Amazonでは近年、Prime Day以外にも 初売り・新生活セール・スマイルSaleなど、年間を通じて複数の大型セールが開催されています。そのため、生活者は「セール慣れ」しており、「安さ」だけでは動かなくなっています。この傾向は、ポジティブな面とネガティブな面の両方をもたらします。

- ポジティブな面
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Amazonが「お得に買い物できるプラットフォーム」として、より強く認知されている
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セール認知の広がりにより、Prime Day期間のアクセス数が増加しやすい
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- ネガティブな面
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セールそのものの希少性が低下している
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「また次のセールで買えばいい」という先送り意識が生まれやすい
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一方でPrime Dayは、数あるセールのなかでも特別なイベントです。年間でも、プライム会員限定で35以上のカテゴリーにわたる最大水準の割引・ポイント還元を誇るセールであるため、生活者は「この日のために買い控えていた物」を一気に購入する傾向があります。
この「自分買い」「まとめ買い」の爆発力を活かす設計が、広告運用者に求められる視点です。
先行セールと本セールで異なる購買の波
2025年のPrime Dayが「先行セール(7月8〜10日)」と「本セール(7月11〜14日)」の2フェーズ構成だったことをふまえると、今年度も同様の構成が想定されます。それぞれの期間で購買の質と量が異なることを理解し、フェーズに応じた広告戦略を設計することが重要です。
<先行セール>
先行セールと本セールで価格差がないケースが多いことから、「どうせ同じ価格なら早めに買おう」という生活者心理が働きます。また、人気商品はセール前半に売り切れるリスクがあることや、セール期間中は物流がひっ迫し即日配送が難しくなることも、購買を前倒しする要因です。さらに、SNSやインフルエンサーによるセール情報の拡散もこの時期に集中するため、先行セール初日は本セール初日に劣らない集客と購買数が見込まれます。先行セールを「プレ的な扱い」と軽視せず、本番並みの予算と施策を投入することが重要です。
<本セール >
本セール初日は、アクセス・購買数ともに全期間で最大のインパクトが生じます。また、セール期間が週末にかかるケースが多く、土日にアクセスが増加することも重要なポイントです。一方、セール期間が長期化するにつれ、中盤には「中だるみ」が発生しやすく、購買数・アクセス数が落ちる傾向があります。この時期は広告予算を効率的に抑えながら、最終日の駆け込み需要に備えることが合理的な対応です。
つまり、Prime Day全体では以下4つの流入の波を意識した設計が求められます。
- 先行セール初日 : 実質的なセール開幕。見逃しのない予算配置が必要
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本セール初日 : 全期間で最大の購買数・アクセス数が集中する最重要日
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週末 : 土日はアクセスが増加しやすく、安定した流入が見込める
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セール最終日 : 買い忘れによる駆け込み需要が発生し、追い込みの波が来る
Prime Day対策 広告運用8つのポイント
【先行セール前】 対策1 : 事前配信の強化
Prime Dayの2週間前からは、広告予算を厚めに設定することを推奨します。理由は二つあります。
①生活者の事前リサーチ行動への対応
生活者はPrime Day開催アナウンスの前後から、購入候補の商品を吟味し始めます。この段階で自社商品の認知・比較検討・カートインを促しておくことが、セール期間全体の成果に直結します。
②オーガニックランク(販売実績スコア) の底上げ
Amazonのアルゴリズムは「売れている商品は良い商品」と評価します。セール前に販売実績と広告スコアを積み上げておくことで、セール本番での広告掲載品質が向上し、競合より有利な条件で広告を出稿できます。事前準備が不足していると、先行セール・本セール開始時に広告単価が高騰するリスクがあります。
【先行セール前】 対策2 : 商材特性別のアプローチ設計
記事冒頭でも触れた通り、Prime Dayは「自分買い」が中心です。そのため商材の特性に応じて広告戦略を使い分けることが重要です。

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低関与商材(消費財・食品・飲料など)
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衝動買いが多く、検討期間が短い
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セール期間を通じて広告を途切れさせず、偶発的な購買機会を逃さない配信が有効
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高関与商材(家電・ガジェット・家具など)
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検討期間が長く、レビューや比較サイトを経由した購買が多い
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Prime Dayの3〜4週間前から広告を強化し、広告ランクを高めておく
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情報感度の高いユーザーが多く、先行セール初日に購買がより集中する可能性がある
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【先行セール前】 対策3 : 先行セールを本セールと同等に位置づける
先行セールを「準備期間」として軽く扱うことは、大きな機会損失につながります。先行セールの実施が確定した段階で、本セールと同水準の広告予算を先行セールにも配分してください。

先行セールへの注力が必要な主な理由は以下のとおりです。
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先行セールと本セールで価格差がなく、早期購買が合理的な選択肢となる
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人気商品は先行セール中に在庫切れになるリスクがある
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配送遅延を避けるため、早めに購入する生活者が一定数存在する
【先行セール前〜本セール】 対策4 : フェーズに合わせたターゲティング設定
セール期間全体を通じて、ターゲティングは以下のように段階的に調整します。

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先行セール〜本セール前半:広いターゲティング設定
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カテゴリー全体・競合ブランドへの指名配信
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幅広いデモグラフィックへのアプローチ
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スポンサー広告(SA)とAmazon DSPを併用し、偶発的な接触を最大化
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本セール後半:絞り込んだターゲティング設定
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リターゲティング(過去接触ユーザーへの再配信)に移行
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Amazon DSPを縮小しスポンサー広告(SA)に集中
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明確な購買意向を持つユーザーへ直接アプローチ
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セール期間の前半と後半では、生活者の購買動機や意向の強さが変化します。その態度変容に合わせたターゲティング設計が成果を左右します。
【本セール中】 対策5 : CPAと予算の関係を理解した柔軟な運用
CPA(1件の購買にかかる広告費用)と広告予算の関係を常に意識した運用が重要です。
セール期間中は競合各社が入札を強化するため、CPAの圧縮が難しくなります。そのため、目標CPAを達成できている状況であれば、広告予算を追加投下して売上個数の最大化を目指すという判断軸が有効です。予算上限と売上目標を照らし合わせながら、柔軟に対応することを推奨します。

【本セール中】対策6:広告予算切れは機会損失
目標KPI(CPAやROASなど)を達成できている状態での予算切れは、本来得られたはずの売上を逃すこととなり、 大きな機会損失です。

たとえば、1日24時間のうち12時間しか広告が配信できていない場合、理論上は広告費を2倍にすれば売上もほぼ2倍になる計算です。可能な範囲で予算の追加を検討し、先行セール・本セールを通じて広告が途切れない運用体制を整えてください。
【本セール終盤】 対策7 : リターゲティングでセール慣れに対応する

セール慣れにより購入に至らなかったユーザーも、次回セールでの見込み顧客となり得ます。今回のPrime Dayで蓄積したユーザーデータを、次回以降の広告配信に活用することが重要です。
- 今回のPrime Dayで自社広告に接触したユーザーへ、次回セール時に再配信
- 商品をカートに入れたまま購入に至らなかったユーザーへ再アプローチ(Amazon Marketing Cloud:AMCを活用)
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あえて、商品をカートに入れたものの購入しなかったユーザーを除外し、配信効率を高める
セール期間中の接触データは、一度限りで終わらせず、継続的なエンゲージメントのための資産として活用します。
【本セール終了後】 対策8 : セール終了後は広告費を段階的に減額する
セール終了直後は購買率が大きく低下します。セールの余韻が続く数日間は広告費を大幅に抑えた運用に切り替えることで、無駄な広告配信を防ぐことができます。
ただし、ここで広告を完全に停止しないことがポイントです。一定期間配信を止めると、広告スコアやオーガニックランクが低下し、次回の配信再開時に高単価での出稿が必要となるリスクがあります。「ゼロにするのではなく、減額する」という対応が最善です。

AIツール「Commerce Flow」でセール運用を自動化する
人手によるセール運用の3つの課題
Prime Day対策として上記8つのポイントを実践しようとすると、以下のような運用上の課題が生じます。

- 予算追加・予算切れ対応のタイミング管理が難しい
先行セール・本セールを通じた競合の入札変動に対応した手動調整には限界があります
- 細かなモニタリングと改善に時間がかかる
売上状況が目まぐるしく変わるなか、日々の数値確認と調整に相当の工数が発生します
- 夜間・休日の運用が現実的でない
先行セール初日の0時スタートや、週末のアクセス増加への対応を人手のみでおこなうことは困難です
これらの課題を解決するソリューションが、Amazon広告AI自動運用ツール「Commerce Flow(コマースフロー)」です。

Commerce Flowの主な機能
①自動最適化機能
月次予算・目標KPIを設定するだけで、AIが予算と入札額を24時間365日自動で最適化します。日々のダッシュボード確認以外の細かな調整作業が不要となり、運用工数を大幅に削減できます。
②ブースト機能
指定した期間・倍率で予算と入札額を自動増減できます。先行セール・本セール各初日への予算集中投下と、セール翌日以降の需要落ち込み期には「逆ブースト」による予算抑制の設定も、事前に一括で完了します。キャンペーン単位で個別設定する必要がないため、設定工数も大幅に削減できます。
③時間帯調整機能
曜日・時間帯別のヒートマップレポートにより、自社商品の「売れやすい時間帯」を定量的に把握できます。その分析をもとにゴールデンタイム(夕方〜深夜)への予算配分を最大化し、早朝・深夜の無駄な配信を抑制することで、費用対効果と予算切れリスクを同時に改善できます。先行セール・本セール初日の0時スタートに向けた事前設定も、この機能で対応可能です。
▼Commerce Flowについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください
まとめ:Prime Day対策の要点
Prime Dayは先行セールと本セールの2フェーズで構成される、Amazonの最大規模のセールスチャンスです。競合他社も入札を強化するため広告競争が激化する一方、適切な準備によってCPCを適切にコントロールしつつ、高いCTRを獲得できる特性を持ちます。成果を最大化するために、以下の8つのポイントを実践してください。
| タイミング | ポイント |
| 2週間前〜 | 事前配信を強化し、認知・カートイン・広告ランクを底上げする |
| 先行セール前 | 低関与・高関与に応じた広告戦略を設計する |
| 先行セール開始時 | 先行セールを本セールと同等に位置づけ、初日から本番並みの予算を確保する |
| 全期間 | 先行セール〜本セール前半は広く、後半は絞るターゲティングで態度変容に対応する |
| 本セール中 | CPA逆算で目標売上を達成できる広告予算を設定する |
| 本セール中 | KPIを達成できている状態での予算切れは機会損失と認識する |
| 本セール終盤 | リターゲティングで今回の接触データを次回セールへ活用する |
| セール終了後 | 広告を止めず、減額で対応し次回配信に備える |
この記事の執筆者
村田 慎二
機械部品メーカーでのセールス、ITオフショア開発企業でのカスタマーサクセス、医療ヘルスケア領域のコンサルティング企業にてデジタルマーケティングを経験後、2022年にnegocia株式会社に入社。以降3年半、Amazon広告自動運用ツール「Commerce Flow」のカスタマーサクセス・マーケターとして約400社のEC事業を支援。マーケティング・セールス・CS領域を横断し一貫して対応できる点が強み。
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