デジタル広告×DOOHで実現する新たな広告戦略 〜データドリブンなDOOHが叶えるリーチ拡張と成果最大化〜
- 執筆者:
- 株式会社 LIVE BOARD
2026年1月27日、株式会社 LIVE BOARDと株式会社Hakuhodo DY ONEは、「デジタル広告×DOOHで実現する新たな広告戦略」と題した共催ウェビナーを開催しました。
メディア環境が複雑化し、生活者の接触態度が変化する現在、デジタル広告とDOOH(Digital Out of Home:デジタル屋外広告)をどのように組み合わせれば、マーケティング成果を最大化できるのでしょうか。本記事では、ウェビナーで語られたDOOH市場の最新動向や、具体的な活用事例、そしてこれからの広告戦略におけるDOOHの役割についてご紹介します。
【登壇者】
・秦 雄治 :株式会社Hakuhodo DY ONE メディアストラテジックプランナー
・丸山 唯 :株式会社Hakuhodo DY ONE メディアソリューション本部 DOOH推進部 部長
・川瀬 絵里 氏 :株式会社 LIVE BOARD クライアントサービス部 マネージャー
※本記事は2026年3月18日に株式会社LIVE BOARD公式サイトに掲載された記事を転載しております
元記事:https://liveboard.co.jp/case/202603002860.html
LIVE BOARDとDOOH市場について
OOH広告の価値を可視化する「メジャメント」の動き
川瀬:近年、OOH(屋外・交通広告)業界では大きな変革が起きています。2025年9月には「一般社団法人 日本OOHメジャメント協会(JOAA)」が設立されました。(https://www.joaa.jp/)これは、これまで媒体や場所ごとに異なっていた指標を統一し、テレビの視聴率やデジタルのインプレッションのように、OOHの効果を客観的なデータ(メジャメントデータ)として可視化しようとする業界全体の動きです。デジタルサイネージ広告市場も右肩上がりで伸長しており、データに基づいた取引の基盤が整いつつあります。
参照元:liveboard.co.jp/information/202510002764.html
「場所」から「人」へ:LIVE BOARDのアプローチ
川瀬:LIVE BOARDは、NTTドコモの位置情報データ等※1を活用し、自社媒体およびパートナー様の媒体をネットワーク化して、OOHの価値をアップデートする国内最大級のDOOHアドネットワークです。その特徴は、「デジタルの運用性」と「OOHのインパクト」を兼ね備えたハイブリッドメディアである点です。
従来のOOHが「特定の場所(枠)」を買うという概念だったのに対し、LIVE BOARDは”「人(オーディエンス)」を起点にネットワーク全体から最適な配信対象を購入する”という、デジタル広告に近い発想を持っています。
※1 お客様から事前に利用許諾を取得し、利用者の個人情報が特定されない統計的な情報として配慮されています。

スピーカー:株式会社 LIVE BOARD 川瀬 絵里 氏
LIVE BOARDの主な特徴:
■VACベースのインプレッション計測:媒体の前にいるだけでなく、視認率などを掛け合わせ、実際に広告を「見た」と想定できる人数(VAC※2)をインプレッションとして計測しています。
※2 LIVE BOARDは、OOHグローバルメジャメントガイドラインにて推奨されている、視認調査に基づく視認率を加味したインプレッション(VAC=Visibility Adjusted Contact / のべ広告視認者数)を採用しています。媒体の視認エリアの中にいる人数(OTS=Opportunity to See)のうち、OOH広告に接触する可能性のあるのべ人数(OTC=Opportunity to Contact / 視認エリア内での移動方向や障害物の有無を考慮)を定義。この数に媒体に応じた視認率を加味することで、実際に広告を視るであろうのべ人数(VAC)を推計しています。
■精緻なターゲティング:ドコモデータ等を活用し、性別・年代だけでなく、職種や年収、アプリ利用データなどに基づいたセグメントや、ヒートマップを活用した配信が可能です。
■柔軟な配信設計: 従来のOOHのような期間・場所の固定ではなく、時間帯を指定した配信や、ターゲットの含有率に基づいたヒートマップ配信など、フレキシブルな対応が可能です。
■多様なDSPとの連携(プログラマティック): 国内外の多様なDSP(Demand-Side Platform)とパートナーシップを結んでおり、デジタル広告と同じプラットフォームからの買い付けが可能です。

なぜ今デジタルマーケティングにおいてDOOHが必要なのか
生成AI時代の「究極のパーソナライズ」とオフラインの価値
丸山:生活者のメディア総接触時間は1日あたり約440分(約7時間)に及び、スマホの普及により「いつでもどこでもメディアに接触している」状態と言えます。特に2025年は生成AIと生活者の距離が縮まり、スマホの中の体験は「究極のパーソナライズ」へと向かっています。
これからは生成AIとの対話などを通じて、自分の興味関心に限定された情報にピンポイントでアクセスするプロセスに変わっていくと予想されます。こうした「個に閉じたデジタル体験」が進む状況下では、マーケティングにおいて「いかに想起を獲得するか」がより重要になります。そのため、想起を獲得しやすいテレビやDOOHといったオフライン施策の相対的な価値が、今後一層高まっていくと考えられます。
スピーカー:株式会社Hakuhodo DY ONE 丸山 唯
デジタル広告との「補完」と「相乗効果」
丸山:DOOHは単独で機能するだけでなく、既存のデジタル施策の効果を高める役割も果たします。
1. リーチの補完:あるキャンペーン調査では、認知者の約2.6%が「DOOHのみ」で認知していました。テレビやデジタルでは捉えきれない層へのリーチ補完として機能しています。
参照元:https://www.hakuhodo.co.jp/mp-info/newsrelease/report/20240328_34725.html
2. 相乗効果(検索率の向上):デジタル広告とDOOHの両方に接触した層(重複接触者)は、検索行動などのKPIが最も高くなるというデータが出ています。DOOHが最後の一押しや、記憶の定着をアシストしていることが分かります。
WISE Adsを活用した運用・検証
丸山:Hakuhodo DY ONEが提供する「WISE Ads」を活用することで、LIVE BOARDなどのDOOHにおいても、配信前・配信中・配信後の各フェーズでデジタル広告と同様の運用が可能になります。例えば、配信中に各ビジョンのターゲット含有率を確認し、「ターゲット率が低いビジョンの予算を減らし、高いビジョンに寄せる」といったアロケーション(予算配分変更)が可能です。また、配信後に「来店計測」を行うことで、次回のプランニングに活かすPDCAサイクルを回すことができます。

デジタル×DOOH活用の実践事例
秦:クライアント企業から実際に寄せられる「あるあるお悩み」に対し、LIVE BOARDがどのように解決策(ソリューション)を提供できるか、5つの事例で解説します。

スピーカー:株式会社Hakuhodo DY ONE 秦 雄治
お悩み①:「ターゲットが忙しく、広告接触時間が少ない」(例:子育て中のバタバタママ)
- 解決策: ドコモデータ等を活用し、ターゲットの生活動線を可視化してピンポイントで配信。
- 効果: 【インクリメンタル・タイムの拡大】 TVやデジタルを見る時間がない層に対し、生活動線上で受動的な接触機会を創出できます。
お悩み②:「デジタル広告のデータではタイミング・ボリューム的に捉えづらい」(例:直近引越し層)
- 解決策: 家具量販店付近などの「ロケーション」と、性年代などの「デモグラフィック」を掛け合わせて配信。
- 効果: 【インクリメンタル・モーメントの拡大】 引越し直後に訪れる家具店付近などで配信することで、物件データなどでは捕捉しきれない「まさに今、検討している瞬間」を捉えます。
お悩み③:「店舗での想起を高めたいが、店内販促は制約が多い」(例:棚の下段の商品など)
- 解決策: 店舗周辺のDOOHで、来店直前のタイミング(リーセンシー)を狙って配信。
- 効果: 【リーセンシー効果のブースト】 店内での施策が難しい場合でも、購買行動の直前にリマインドすることで、棚前での商品想起を後押しします。
お悩み④:「デジタル広告と横並びで評価したい」
- 解決策: データクリーンルーム(DCR)を活用し、DOOHの接触IDと評価データを紐づけて分析。
- 効果: 【評価のデジタル化】 接触IDベースでブランドリフト調査などを行い、デジタルと同じ指標で効果を可視化できます。
お悩み⑤:「オンオフ統合で出稿したいが、工数やリスクが心配」
- 解決策: LIVE BOARD Networkを活用した、一括入稿・配信管理。
- 効果:【ワンストップでの多面接触の実現】 媒体ごとに異なる入稿規定や進行フローをLIVE BOARDが一元管理。生活動線上での多面的な接触を、最小限の工数で実現します※3。
※3 審査は各媒体社の基準に基づき、各社にて実施されます。
まとめ
このように、LIVE BOARDを活用することで「インクリメンタル・タイム/モーメントの拡大」「リーセンシー効果」「評価のデジタル化」「少工数での多面接触」といった価値を提供でき、デジタル広告だけでは解決しづらい課題に対して有効な打ち手となります。

パネルディスカッション
――LIVE BOARDを実際に使ってみてどのように感じていますか?
丸山:OOHとDOOHにはそれぞれ良さがありますが、LIVE BOARDはデジタルメディアと横並びで提案できる点が非常に使いやすいです。ドコモのデータ等を活用することで、デジタルと同様のセグメントで提案できるため、提案の幅が広がると感じています。
秦:普段デジタルのプランニングをしている人間にとっても、LIVE BOARDは馴染みやすく、簡単にプランニングに組み込めます。クライアントからも『最近、街中でLIVE BOARDの映像をよく目にするようになったね』と言われることが増え、生活者の視点でも触れる機会が増えていると実感しています。
――DOOH市場が伸長するなか、選ばれる媒体であり続けるために必要なことは?
丸山:3D映像などの特殊クリエイティブやイマーシブな体験を提供する『インパクト型』と、LIVE BOARDのような『ネットワーク型』は役割が異なります。LIVE BOARDのようなネットワーク型媒体であれば、『全国のカバー率』『デジタルとの連動性』そして『デジタルに近しいターゲティング配信』を突き詰めていくことが、選ばれる理由になると考えています。
秦:大前提として『広告効果』があることが重要ですが、ただ放映して終わりではなく、各媒体の役割を正しく定義し、それが実際に機能したかを検証できることも重要です。LIVE BOARDはそのための調査手法や柔軟な配信機能を持っているので、プランニングの優先順位が上がりやすいですね。
今後のDOOHに期待すること・各社の今後の展望について
最後に、各社から今後の展望が語られました。
丸山:生成AIの台頭でスマホの中が『個』に閉じていく中、街中というパブリックな場で共通体験を作れるDOOHは、今後相対的に価値が上がっていく『インフレ媒体(価値が再評価されるメディア)』になるはずです。単なる広告枠を超え、インフラとして進化させていきたいです。
秦:あらゆる場所がタッチポイントになる時代、最も寄与するのがDOOHだと考えています。効果を実証しつつ、市場全体としてさらに配信面が拡大していくことを期待したいですし、我々もそこに向けて拡販していきたいです。
川瀬:業界はまだ発展途上です。『こんなことはできないか?』というご要望をどんどんぶつけていただき、クライアントや生活者にとって『なくてはならない媒体』へと成長させていきたいです。

本ウェビナーでは、DOOHがデジタル広告とシームレスに連携し、「リーチの補完」「相乗効果」「精緻な計測」を実現する高度なマーケティングチャネルに進化したことが示されました。既存のデジタル施策に行き詰まりを感じている、あるいはオフライン施策のDX化を検討されている企業の皆様にとって、LIVE BOARDのようなプログラマティックDOOHは、検討すべき有力な選択肢の一つとなりえるのではないでしょうか。
この記事の著者
株式会社 LIVE BOARD
データドリブンにターゲティングや効果検証を実現するデジタルOOHアドネットワークオペレーター。OOH領域において国内で初めてインプレッション(VAC)※に基づく配信を実現。コロナ禍のような人流変化が起こりやすい状況下でも、"そのとき、その場所で、その広告を"見ると仮定される人数をもとに、限りなく実態に即した広告配信および課金体系を展開。加えて、屋外・屋内、電車内、駅構内など日本全国の多様なデジタルOOHを束ねた独自ネットワークに国内最大級キャリアのビッグデータを掛け合わせることで、性・年代別によるターゲティングなど、従来のOOHでは難しかった"ヒト"基点による配信を可能に。 ※ LIVE BOARDは、OOHグローバルメジャメントガイドラインにて推奨されている、視認調査に基づく視認率を加味したインプレッション(VAC=Visibility Adjusted Contact / のべ広告視認者数)を採用しています。媒体の視認エリアの中にいる人数(OTS=Opportunity to See)のうち、OOH広告に接触する可能性のあるのべ人数(OTC=Opportunity to Contact / 視認エリア内での移動方向や障害物の有無を考慮)を定義。この数に媒体に応じた視認率を加味することで、実際に広告を視るであろうのべ人数(VAC)を推計しています。
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