本文にスキップする

ホンダモビリティランドの事例に学ぶ!LINE を活用したファンマーケティングで「熱狂的なファン」を育てる秘訣

執筆者
ONEDER編集部
この記事は約1分で読めます

「ファン」とは、単にサービスを利用するだけでなく、ブランドやサービスに深く共感し、情熱をもって支持してくれる存在です。表面的なデータだけでは見えない、生活者の「心の動き」まで理解することが、真のファンを育む鍵となります。

デジタル化が進む現代では、生活者との関係構築の手法が多様化しています。中でも、SNS、チャットアプリ、コミュニティサイトといった多岐にわたるツールを活用し、共感を生み出す「ファンマーケティング」は、企業のブランド戦略においてますます重要性を増しています。

特にLINEは、国内で圧倒的な普及率を誇るプラットフォームであり、ユーザーとの1to1コミュニケーションを通じて関係を深められる点が大きな強みです。  

本記事では、ホンダモビリティランド株式会社がLINE公式アカウントを活用してファンエンゲージメントを強化した事例をもとに、当社が支援した内容や得られた成果を踏まえ、LINEを活用したファンマーケティングの具体的な手法をご紹介します。 

 

※本記事で言及する「国際的なモータースポーツイベント」とは、ホンダモビリティランド株式会社が運営等に携わるイベントを指します。なお、当該イベントの主催者・商標権者とは本記事は一切関係ありません。 

LINEを活用したファンマーケティング

 ファンマーケティングとは? 

ファンマーケティングとは、ブランドやサービスに共感し、支持してくれる「ファン」を育成し、その関係を長期的に維持・強化することを目的としたマーケティング手法です。ユーザーが「この商品を使い続けたい」「周りの人にも勧めたい」と感じるような深い結びつきを築くことを目指します。

企業におけるLINE活用のメリット

①圧倒的なユーザー数

LINEは日本国内で9,800万人(※1)が利用しており、主要SNSの中でも圧倒的な利用者数を誇ります。Instagram(約3,300万人)(※2)、X(約6,800万人)(※3)、TikTok(約4,200万人)(※4)、Facebook(約2,600万人)(※5)と比較しても突出しており、男女差や年代差が小さいことから、老若男女を問わず広く浸透している点も特長です。(※2)
また利用率も91%と非常に高く、企業の情報やメッセージを日常的にユーザーへ届けやすいと言えます。(※6)

※1 参考:LINEヤフー、LINEヤフー 媒体資料(2025/6/23更新)
※2 参考:Meta、Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破、Meta
※3参考:株式会社インプレス、XのAI「Grok」が進化! 日本法人社長が教える「インサイト発見」の“超実践ワザ” | 【レポート】Web担当者Forumミーティング 2025 春、Web担当者Forum
※4参考:Bytedance、TikTok、日本の月間アクティブユーザー数が4,200万を突破!、TikTok
※5 参考:朝日インタラクティブ株式会社、フェイスブック ジャパン長谷川代表が語る「退任の真意」--独占ロングインタビュー、CNET Japan
※6 参考:総務省、「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表、総務省 

②ユーザーごとに最適化されたメッセージ配信

LINE公式アカウントでは、一人ひとりをターゲティングしてメッセージを配信することが可能です。ユーザーの属性や行動履歴(例えば「特定の記事を読んだ」「特定の商品を購入した」など)にもとづき、最適な情報を最適なタイミングで届ける「セグメント配信」を活用できます。これにより、「自分にとって価値のある情報が届く」という体験を提供でき、ブランドへの信頼や愛着の醸成につながります。

③多様なサービス連携で広がる戦略

LINEヤフー株式会社は、コミュニケーションアプリ「LINE」や総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」だけでなく、「LINEミニアプリ(※1)」をはじめとした、さまざまなサービスを展開しています。これらのサービスを組み合わせることで、横断的かつ効果的なマーケティング戦略を構築することが可能です。

 ※1 LINEミニアプリ:ライフスタイルのさまざまなニーズに応えるサービスを、LINE上で提供できるウェブアプリケーション。モバイルオーダー(店内注文・店外注文)、デジタル会員証、順番待ちシステムなど、店舗や施設の運営ほか、さまざまな業種・業態で役立つ機能をLINE上で提供できます。 

④顧客データの蓄積と活用

LINEのメッセージ開封やクリックといった行動データを分析することで、ユーザーの関心や反応傾向を把握できます。ただし、こうしたデータを効果的に活用するためには、一定数の「友だち」獲得が前提となるため、ファン獲得施策の並行実施が重要です。

LINEは、1to1のコミュニケーションを取りながら企業とユーザーの距離を縮めることができるため、潜在的な関心層を「ファン」へと育てていくことが可能です。次の章では、ユーザーにとっての具体的なメリットについてご説明します。

 ユーザーにおけるメリットとは? 

①ユーザーにとって最適な情報を受けとれる

「セグメント配信(※1)」を通じて、ユーザーは自分の関心に合った情報を最適なタイミングで受け取ることができるため、通知がノイズになりにくく、必要な情報に集中しやすくなります。

※1 セグメント配信:ユーザーを年齢、居住地、購入履歴、興味関心などの属性や行動にもとづいてグループ分けし、それぞれのグループに最適なメッセージを配信するマーケティング手法。

②ストレスフリーな顧客体験

LINEミニアプリやリッチメニューを活用することで、LINEを起点に自社のWebサイトへスムーズに誘導することが可能です。 ユーザーは複数のアプリを行き来する必要がなく、快適な利用体験を実現します。スムーズな顧客導線の設計は、サービス利用のハードルを下げ、ストレスフリーな顧客体験の提供につながります。

③企業との距離が縮まり、「声が届く」安心感

「アンケート機能」などを通じてユーザーはサービスに対して、気軽に意見を伝えることができます。こうした「声が届けやすい」環境があることは、企業とユーザー間の心理的な距離を縮め、自身の声が届くという期待感や、企業への親近感の醸成につながります。このような機会の提供が、結果的にユーザーとの信頼関係の構築を促進します。

ホンダモビリティランドのLINE公式アカウント活用事例

ここからは、当社が支援したホンダモビリティランドが携わる国際的なモータースポーツイベントのLINE公式アカウント活用事例をご紹介します。

 背景と課題

国際的なモータースポーツイベントは年1回の開催であり、ファンとの接点が限定的でした。そこで当社は、以下の2つを目的として、LINE公式アカウントの開設から戦略設計まで支援しました。

➀既存ファン層のエンゲージメント向上
➁興味を持ち始めた「ライト層」をコアなファンへ育成

 当社の支援体制 

本プロジェクトでは、Hakuhodo DY ONEとグループ会社であるトーチライトが連携し、包括的にサポートしました。

Hakuhodo DY ONE LINE Messaging APIに対応したマーケティングソリューション「DialogOne®」を提供。リッチな配信コンテンツの制作や、UX向上を技術面からサポート。
・トーチライト :LINE公式アカウント運用支援サービス「TeLAS」を通じて、戦略設計からクリエイティブ制作、運用までを一貫して支援。 

 (参考)LINE公式アカウント運用支援サービス「TeLAS」サービス詳細はこちら

 成功に導いた戦略ポイント 

①戦略設計における独自アプローチ

LINEの機能提案にとどまらず、事業目標・ファン心理・データ活用を踏まえた上流設計から支援をおこないました。「ファンに響く」体験を軸に、戦略と戦術を設計しました。

②「エンタメアカウント」によるエンゲージメント最大化

通常のLINE公式アカウントの機能に加え、1to1メッセージや「LINE公式アカウントメンバーシップ」など、より拡張性の高い「エンタメアカウント」を活用しました。これにより、ファン一人ひとりの行動データにもとづく最適なコミュニケーションを実現しました。

 実施施策

LINEミニアプリで体験価値を向上

観戦するユーザー向けに、施設情報や座席別の見どころ、ドライバー情報を確認できるLINEミニアプリを導入しました。さらに、レース連動型ミニゲームを展開し、イベントへの熱量や愛着を深める体験を提供しました。

202591320633_01

「レスポンシブリッチメニュー」によるパーソナライズ体験

当社が提供するマーケティングソリューション「DialogOne®」にて、ユーザーの発話内容に応じてLINEトーク画面下部のメニューが即時切り替わる「レスポンシブリッチメニュー」機能を活用しました。ユーザーが自然にアンケートへ回答したくなる導線を設計し、パーソナライズされた顧客体験の実現に寄与しました。

初期状態では一部のコンテンツが非表示になっていますが、ユーザーがアンケートに回答すると「メニューを解放する」というキーワードが自動的に発話され、イベント関連のコンテンツが利用可能になる仕組みです。収集したデータは、ユーザー属性や興味関心の分析に活用し、今後のイベント企画や、より最適化されたメッセージ配信に役立てています。

詳細は以下のプレスリリースよりご確認ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000063501.html

202591320633_02

オープンチャット×外部コミュニティでファン同士をつなぐ

友だち登録不要・匿名参加可能なオープンチャットを活用し、イベント中にファンが交流できる空間を設計しました。日本での同イベント開催時には、リアルタイムで盛り上がる観戦チャット空間を提供し、ファン同士の一体感を醸成しました。

202591320633_03

また、外部コミュニティへの導線をリッチメニューに設け、LINEから常時アクセスや情報共有ができる仕組みを構築しました。

202591320633_04

 成果 

エンタメアカウントを基盤としたファン囲い込み

「鈴鹿サーキット Suzuka Circuit」のXフォロワーの約1割にあたる約27,000人をLINEの友だちとして獲得することに成功しました。※2025年10月時点
さらに、外部コミュニティは開設からわずか1か月で約3,600人が参加しました。※2025年9月時点
エンタメアカウントを基盤とし、多層的なファン基盤づくりを実現しました。

高いアンケート回答率で配信最適化のデータ基盤強化

通常5~10%(※1)程度の回答率に対し、今回は約70%という非常に高い回答率を記録しました。ユーザーの興味関心や行動傾向をより深く把握できたことで、今後の配信最適化に活かせる貴重なデータ基盤を構築することができました。

※1 参考:当社実績数値の平均

まとめ

LINEはファンとのつながりを強化し、エンゲージメントを高めるための有力なツールです。重要なのは、ファンとの関係構築を目的に据えた明確な戦略と運用設計をおこなうことです。これにより、コミュニケーションの質が向上し、長期的な関係性の構築につながります。

今回ご紹介したような大規模ブランドに限らず、中小規模の企業でもLINEを活用したファンマーケティングは十分に実現可能です。自社の強みや顧客特性に合わせて最適な設計をおこなえば、どのブランドでも「共感でつながるファン基盤」を築くことができます。

 「LINEを活用してサービスやブランドの魅力をもっと広めたい」「生活者とのつながりを強化したい」といった課題をお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。 

この記事の執筆者

ONEDER編集部のプロフィール写真

ONEDER編集部

関連記事

メルマガに登録する

Newsletter

メールマガジンでは、企業のマーケティング戦略立案や日々の業務に役立つ、「驚き」と「発見」に満ちた最新情報を定期的にお届けしてまいります。
受信を希望される方は、フォームからご登録ください。

ブログ一覧へ戻る