Z世代に深く刺さる BeReal の広告体験と多様なメニューとは?
- 執筆者:
- 伊藤 杏
「“ありのまま”で響くBeReal広告」と題し、全3回にわたってBeReal(ビーリアル)広告の可能性を深掘りする本シリーズ。Z世代の心を掴むSNSとして、BeRealは急速にユーザー数を伸ばしており、その独特なコンセプトと高いエンゲージメントから、広告媒体としても大きな注目を集めています。前回の記事ではBeRealの基本的な特徴についてご紹介しましたが、今回はBeReal広告の多様な広告メニューと具体的な効果について深く掘り下げていきたいと思います。
BeRealについて「どの程度広告効果が期待できるのだろうか?」「他のSNS広告と何が違うのか?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。本記事では、BeReal広告の特徴や広告効果、そして他のSNS広告と比較してどのような優位性があるのかをデータに基づいて解説します。さらに、目的に合わせた最適な広告メニューをご紹介し、BeReal広告を最大限に活用してビジネスを加速させるための具体的なヒントをお届けします。
BeReal広告の概要
BeReal広告の魅力
BeReal広告の最大の魅力は、その「リアルさ」と「没入感」にあります。BeRealは「ありのままの日常(BeYourself)」を共有する場として、Z世代から絶大な支持を得ています。この独自性を生かした広告も登場し、新たなマーケティングチャネルとして注目されています。
(図1:BeRealのユーザー数と年代別比率)
引用:「BeReal広告媒体資料(10月)」(BeReal提供)
BeReal広告の仕組み
BeRealのユーザーは1日に2回まで任意のタイミングで投稿をすることができるほか、1日に1回“BeReal.TIME”というイベントに参加することができます。このイベントでは、毎日ランダムなタイミングでユーザー全員に一斉通知が届き、通知から投稿までに与えられる2分間の制限時間以内に投稿します。BeReal.TIMEに参加したユーザーは、1日の投稿可能数が最大6回まで増えるため、多くのユーザーがこの通知を受けて一斉に投稿します。投稿した内容は次のBeReal.TIME通知が届くまで(およそ24時間前後)フィード上に残り、新たな通知が届くとフィードはリセットされ、過去の投稿は見れなくなります。そして、フィード上にはBeReal.TIME以降に展開された、新たな投稿が並んでいきます。他ユーザーの投稿を見られるのは通知を受け取ってから24時間前後の間となるため、多くのユーザーが1日の間に何度もフィードを訪れて「みんなのリアル」を閲覧しています。

(図2:BeRealの利用イメージ)
BeReal広告はこのフィード上に並んだユーザーの投稿と投稿の間に表示されます。広告のクリエイティブフォーマットは、通常の投稿と同様に、フロントカメラで撮影された小窓画像とバックカメラで撮影された大画面画像で構成されます。そのため、通常の投稿に馴染みやすく、ユーザーは友だちの投稿を見る際に違和感なく自然と広告に接触することになります。

(図3:BeReal広告イメージ)
引用:「BeReal広告媒体資料(10月)」(BeReal提供)
なぜBeReal広告なのか?〜主要SNS広告との比較から見えてくる優位性〜
「記憶に残る広告」としてのBeReal.の強みと従来のSNS広告との違い
Z世代におけるBeRealの広告認知度は、他媒体の約1.9倍にも及びます。では、なぜBeReal広告はこれほどまでに記憶に残りやすいのでしょうか?その理由はBeRealならではの仕様による、ユーザーの「1つ1つの投稿を見ることへの意識の高さ」と、そのプラットフォームならではの「リアルな広告体験」にあると考えられます。
(図4:BeReal広告の広告認知度)
引用:「BeReal広告媒体資料(10月)」(BeReal提供)
無限の消費コンテンツではなく有限だからこその投稿への向き合い方
冒頭で説明したように、BeReal広告ではフィードの投稿はおよそ1日ですべて消えて二度と見られなくなるという特徴がある他に、フィード上に流れてくる投稿数が少ないという特徴もあります。BeRealのフィードには友達になっているユーザーの、その日の投稿のみが反映されており、媒体アルゴリズムなどによって勝手に友達以外のおすすめの投稿などが流れてくることがないため、フィード上に表示される投稿数は限られます。加えて、BeReal.TIMEの通知がいつ届くかわからない状況だからこそ、「この瞬間を逃すとこの投稿はみられないかもしれない」という心理が働くため、ユーザーは投稿を「ながら視聴」するのではなく1つ1つの投稿に意識を向けて丁寧に見る傾向があると考えられます。この投稿に対する向き合い方の中で、広告においても同じフィード上で自然な流れで接触するため、これらの閲覧環境の特性とユーザーの利用態度が、BeReal広告を「記憶に残りやすい広告」にさせると考えられます。
リアルな広告体験
BeReal広告はフィード上に流れる投稿と投稿の間に掲載され、広告フォーマットもオーガニックな投稿と見分けがつきにくい形で表示されます。そのため、ユーザーは友だちの投稿を見る自然な流れで広告に接触することができるなど、広告が受け入れられやすい工夫がなされています。また、BeRealの「加工なし」という特性は広告にも影響を与えます。広告クリエイティブもまた、過度な演出や加工を避け、「ありのまま」の製品やサービス、利用シーンを提示することで、ユーザーの「リアル」を求める価値観と合致します。これにより、広告が「ありのまま」のメッセージとして受け取られ、Z世代に対してインパクトを残すことができます。
BeReal広告がもたらす行動変容
BeReal広告の導入は、ブランドの認知度向上だけでなく、購買意向や推奨意向といった具体的な行動指標にも良い影響を与えることがわかっています。マクロミルの調査※1では、BeRealと他媒体の広告に接触したユーザー(テスト群)と、他媒体広告のみに接触したユーザー(コントロール群)を比較することで、BeReal広告を実施することでインクリメンタル効果(=上積み効果)が明らかになりました。
(図5:BeRealユーザーの意識・行動調査)
※1 マクロミルの調査…「マクロミルによるインターネット調査」、2025年5月13日〜5月19日実施、詳細の調査概要は本記事下部を参照
同調査の結果では、BeReal広告がユーザーのブランドに対する興味関心を深め、購買や推奨といった具体的な行動につながる可能性が高いことを示しています。特に他の媒体広告とBeReal広告を組み合わせることで推奨意向が6.9%も伸長しました。

※単位はパーセンテージポイント
(図6:BeRealユーザーの意識・行動調査-2)
さらに、広告視聴後の具体的な行動についても、他の媒体広告単体での接触よりも他媒体と合わせてBeReal広告に接触した方が能動的に行動する傾向が見られました。
これらのデータは、BeReal広告がユーザーの「知りたい」「試したい」「誰かに伝えたい」という意欲を刺激し、情報収集から共有、そして実際の購買行動へとつながる一連のプロセスを活性化させる力を持っていることを示しています。特にオンライン検索や友人との話題、SNS投稿といった行動は、Z世代の購買行動において重要な要素であり、BeReal広告がその起点の1つとなると考えられるのです。
参考:BeReal「インターネット調査で判明、BeReal広告は広告認知率が他メディアの約2倍に!『認知から行動』への効果も実証。アンケート機能「BeReal ASK」の回答例も初公開!」、PRTIMES、2025年10月9日閲覧
他媒体との相乗効果
「ユーザー層が被っているから、他のSNS広告と組み合わせても、それほどインクリメンタルな効果は得られないのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、BeReal広告は他のSNSと組み合わせることで、特定層の認知・購入・推奨意向に効果を発揮する媒体であることが先ほどの調査結果※1からも示されています。

BeRealは他のSNSと比較してリアルかつクローズドなメディアであり、フィードに流れてくる投稿の数も限られていることが他のSNSにはない特徴の1つです。そのため、他のSNSでの広告出稿で広くブランドイメージや認知を培いつつ、BeRealが持つ「1つ1つの投稿に対して集中して向き合う特性」や「リアルさ」でさらにそのブランドイメージをより深く、信頼性の高いものへと昇華させる役割を果たすと考えられます。
Z世代へのアプローチを加速させたい企業にとって、BeRealは単独で利用するだけでなく、既存のマーケティング戦略に組み込むことで、より大きな効果を生み出す可能性を秘めていると考えられます。
多様なBeReal広告の魅力
目的別で選べるBeReal広告メニュー
BeRealでは、広告主の多様なニーズに応えるために、複数の広告メニューが用意されています。ブランド認知度の最大化から、特定のターゲット層へのリーチ、Webサイトへの誘導まで、広告主のマーケティング目標に合わせた最適なプランを選ぶことが可能です。


テイクオーバー(Max Takeover, Takeover 7, Takeover 5)
テイクオーバーは、BeRealの広告枠を一定期間ジャックし、ブランド認知度向上を目指す企業に最適なメニューです。このメニューは、BeRealの1日の広告枠を独占することで、ユーザーの記憶に深く残る広告体験を提供します。
バランスリーチ(CPM保証型, CPC保証型)
バランスリーチは、単価固定でimpや掲載期間を指定して購入する予約型広告メニューです。CPM(インプレッション単価)またはCPC(クリック単価)を保証する形で、より効率的にターゲット層へリーチし、具体的な成果につなげたい場合に適しています。
フォロワー獲得広告
BeRealの企業公式アカウントを保有している広告主において利用可能な広告メニューです。オーガニック投稿のエンゲージ増やし、公式アカウントのフォロワー数を伸ばすことが可能です。
BeUp!
BeReal広告に最適なコンテンツおよびクリエイティブの準備に不安を感じる企業様のために、「BeUp!」という特別タイアップパッケージをご用意しています。業界トップクラスのパートナーと協業し、BeRealに最適なクリエイティブ制作やコンテンツ提供をサポートします。
BeReal.ASK / ブランドリフトサーベイ
BeReal広告の導入効果を客観的に測定し、今後のマーケティング戦略に活かしたい企業様のために、「BeReal.ASK」と「ブランドリフトサーベイ」が提供されています。定型設問を用いた通常の「ブランドリフトサーベイ(BLS)」に加え、「BeReal.ASK」はカスタム設問でのキャンペーン前後比較を通じてユーザーの深いインサイトを獲得できるのが特徴のため、ブランドの現状を踏まえた若年層施策の次なる打ち手を可視化するための定点調査としても活用できます。


また、ターゲティング可能な各メニューで選択可能なセグメントは、年齢・都道府県・性別・OSの他、プレミアターゲティングでの興味関心セグメントの利用も可能です。
まとめ
本記事では、Z世代への調査をもとに、BeRealの広告効果と優位性を明らかにするとともに、広告メニューについても解説しました。BeRealは、他のSNSとは一線を画す「リアルさ」と「没入感」によって、高い広告認知度と記憶定着率を実現します。さらに、他媒体との相乗効果も期待でき、Z世代へのアプローチを加速させる強力なブースター媒体となり得ます。広告主様の目標に合わせて、予約型広告、CPM保証・CPC保証、クリエイティブ制作をサポートするBeUp!、そして効果測定のための調査パッケージを組み合わせることで、BeReal広告のポテンシャルを最大限に引き出すことが可能です。
次回の記事では、BeReal広告で成功するための具体的なクリエイティブのベストプラクティスについて深掘りしていきます。Z世代の心を掴む「リアル」な広告表現とは何か、ぜひご期待ください。
▼「マクロミル調査によるインターネット調査」調査概要
- 調査実施機関/出典元:マクロミル / BeReal
- 調査期間:2025年5月13日〜5月19日
- 調査対象者:全国の15歳〜30歳の男女、且つ、各メディア(YouTube、X、TikTok、Instagram、TV、BeReal)を週1以上利用しているユーザー
- サンプル数(n数): 10,000(スクリーニング調査)、1,654(本調査)
この記事の著者
伊藤 杏
2019年にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(現:Hakuhodo DY ONE)に入社。メディアビジネス本部に所属し、入社以来プラットフォームメディア担当としてさまざまな媒体社との協業業務を担当。現在はX・TikTok・BeReal担当として、媒体社のセールス活動やグループ全体のビジネス推進、社内外向けのメディア情報発信等に従事。
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