本文にスキップする

Z世代を代表するアプリ、BeReal って何?

執筆者
酒井 理子
この記事は約1分で読めます

「“ありのまま”で響く BeReal広告」と題し、全 3 回にわたって BeReal(ビーリアル)広告の可能性を深掘りする本シリーズ。第一回の本記事では、Z世代を中心に爆発的な支持を集めているソーシャル写真アプリ「BeReal.」がどのようなアプリなのか。なぜ、BeRealが若者の支持を集めているのかを紐解いていきます。

SNSが日常化し、私たちは「映える」写真や動画をシェアすることにすっかり慣れています。しかし、「ありのまま」をコンセプトとし、その文化に一石を投じたBeRealが今後どのような進化を遂げていくのか、BeRealの今後の可能性についても考察をしていきます。 

※本記事は、BeReal監修のもと執筆しています

BeRealの概要と主な機能

アプリの基本概要と成長

BeRealは日々のありのままの瞬間を切り取り、共有することをコンセプトとしたソーシャル写真アプリで、2020年にフランスでローンチされました。その最大の特徴は「毎日ランダムな時間に一度だけ通知が届き、2 分以内に今の自分と周囲の風景を同時に撮影して投稿する」という仕組みです。ゆえに、写真映えを重視するよりも、ありのままの生活のワンシーンを共有することが前提となります。そんなBeRealは2024年に、ゲーム大手Voodooの傘下に入り、核となる「ありのまま」という独自の価値を大切にしながらもアプリの体験を刷新し、さらなる成長を遂げました。

アプリのユーザー数は2024年時点で、MAU(月間アクティブユーザー)が約500万人、そのうち87%がZ世代です。特に大学生世代の利用率が高く、262万人中250万人がBeRealユーザーという驚異的な普及率を誇ります。

Z世代を代表するアプリ、BeReal.って何?_1(図1BeRealのユーザー数と年代別比率)

引用:「BeReal広告媒体資料(10月)」(BeReal提供)

BeRealの閲覧方法

急成長を続けるBeRealの閲覧方法、投稿の仕方についてそれぞれ紹介していきます。

まず、投稿の閲覧方法です。BeRealのアプリをインストールしアカウント登録が完了すると、自分や友達の投稿が流れるホームフィード画面が立ち上がります。ホームフィード画面には、友達の投稿のみが表示されるため、友達がいない場合は何も表示されません。

Z世代を代表するアプリ、BeReal. って何?_5

友達の追加後、自身の投稿をおこないます。BeRealでは、自身の投稿をするまでは友達の投稿を閲覧することができません(画像:左)。この仕様は「見るだけ」の受動的ユーザーを減らす一因となっており、BeRealは毎日投稿率80%を誇っています。また、閲覧するために投稿をしなければならないというハードルがあることで、「日常の投稿を見せても良い」と思えるクローズドな友だち間のみで利用するユーザーが増えています。実際、日本のユーザーの平均的な友達の数は30人ほどです。親しい友人のみの環境だからこそ、飾らないありのままの日常を投稿しやすくなっています。

Z世代を代表するアプリ、BeReal. って何?_3

※生成AIを利用して作成しています

投稿の流れ

前述の通り、投稿を閲覧するには自分の投稿をおこなう必要があります。そこで次にBeRealの投稿の流れについて詳しく解説します。

BeRealではBeReal.TIMEという一日一回ランダムな時間に全ユーザー同時に届く通知があり、通知から2分以内に投稿すると一日に撮れる撮影回数が追加されます。通知から遅れて撮影をすると画面に「遅れ」と表示されますが、カメラマークをタップすればいつでも投稿は可能です。投稿画面に遷移すると、デュアルカメラ構図という小窓(フロントカメラ)と大画面(バックカメラ)が同時に起動し、自分とその場の風景を一度に撮影します。気に入らなければ撮り直しも可能ですが、撮り直し回数は友達に表示されます。投稿はホームフィードで共有され、友達のリアクションを受け取れます。投稿は次のBeReal.TIMEがきたら自動でホームフィードから削除され自分のプロフィールにのみ残ります。
Z世代を代表するアプリ、BeReal. って何?_4

BeRealフランス発・Z世代の「本音」を映す新しいSNS

BeRealのコンセプト「3つのR」

ここまでBeRealの主な仕様についてお伝えしてきましたが、この独自の仕様には従来のSNSとは一線を画すBeRealのコンセプトが反映されています。そのコンセプトの内容は「3つのR」に集約されています。

Z世代を代表するアプリ、BeReal. って何?_2(図2BeReal.のコンセプト)

参考:「BeReal広告媒体資料(10月)」(BeReal提供)をもとに筆者が作成

一つ目のRはReal.です。ありのままの姿で「本音」の自己表現が可能な環境を目指しています。このコンセプトは前述の撮影仕様にも反映されており、BeReal独自のデュアルカメラ構図という小窓(フロントカメラ)と大画面(バックカメラ)を同時に使う撮影方法では、フィルターや加工も既存写真のアップロードも仕様上不可となっています。撮った写真を一切加工しないことで、リアルで等身大のSNSを体験できるようになっています。

二つ目のRはRaw.です。飾らない日常のワンシーンをそのままさらけだすことで「今だけ」の価値を創出することができます。投稿がおよそ24時間で消えるため、ぶれていても気にせずに日常のそのままの姿を投稿しやすくなっています。また投稿が一定時間で消えることにより、日常の投稿が特別な価値を持ち、その希少性がユーザーの投稿に対する集中力の高さにもつながっています。そのため、このコンセプトは1日平均7回以上のアプリ起動という高いエンゲージメントを誇る理由の一つとなっています。

 参考:「BeReal広告媒体資料(10月)」(BeReal提供)

三つ目のRはRelate.です。BeRealはユーザー同士が同時に共感しあえる場所です。通知が届いてから2分以内に投稿する「BeReal.TIME」の仕様によって、約250万人のユーザーが同じタイミングで「今」を共有します。この共有体験が強烈な一体感を生み出し、物理的距離を超えたつながりを実現しています。

BeRealの7つの機能

改めて、BeRealの3つのコンセプトが反映された機能を7つ紹介します。既にご紹介済の機能の他にも、「RealMoji」という自撮りで作成した実写スタンプで友達の投稿にリアクションができる機能があり、ユーザー同士が等身大でつながりやすくなっています。また「メモリー」という自分の過去投稿をカレンダー形式で振り返ることができる機能は、自分のそのままの日常を振り返ることできるため、日記代わりに使用しているユーザーも多くいます。このような様々な機能でBeRealはユーザーに唯一無二のリアルでクローズドなSNSを届けています。

デュアルカメラ構図(フロント&バックカメラの同時撮影)
加工やフィルターなしで「その瞬間」を切り取る。

BeReal.TIME(1日1回のランダム通知)
250万人以上が同時投稿。偶然性がリアルな日常を生む。

友達限定のプライベート投稿
日本の平均友人数は30人程度。バズる目的ではなく、親しい人との共有が前提。

モザイク機能
自分が投稿しないと他人の投稿は見られない。受け身利用を防ぎ、アクティブな共有を促す。

24時間限定公開
投稿は1日で消えるため希少性が高く、見逃す恐怖を減らす。

RealMoji(自撮りリアクション)
他人の投稿に自撮りの実写スタンプでリアクションし、より個人的なコミュニケーションが可能。

メモリー(過去投稿の保存)
自分の過去投稿だけをカレンダーで振り返ることができる。

なぜBeRealが支持されるのか?

Z世代が「本音」でつながる理由

さまざまな機能で「ありのまま」を実現するBeRealですが、実際にそれがユーザーの心をどう捉えているのか気になるところです。ここからは、BeRealがなぜZ世代に支持されているのか、その背景を見ていきましょう。

BeRealがZ世代を中心に圧倒的な支持を集めている理由は、大きく5つの観点に集約できます。

「フィルターなし、編集なし」でありのままの自分をさらけ出せる安心感
従来のSNSでは、周囲と比較して、「よく見せなければ」という見栄や心の負担をユーザー自身が感じて、投稿ハードルが高くなるケースも少なくありませんでした。しかしBeRealでは、加工が一切禁止されており、周りのユーザーも加工をしていないため周囲の目を気にせず投稿できます。さらに、投稿の公開範囲が友達限定であることも、自己開示のハードルを下げている要因です。

BeReal独自の「共有体験」
全国のユーザーが同時に投稿するという仕組みは、同じ瞬間を共有する一体感を生み出します。たとえば、離れた場所にいる友人同士でも、「今この瞬間、何をしているのか」がリアルに伝わり、物理的な距離を超えたつながりを感じることができます。コロナ禍以降、リアルな接点が減った若者たちにとって、こうした体験はより大きな意味を持つようになりました。

SNSでのコミュニケーション疲れを感じにくい
BeRealの1日1回の通知・24時間限定の投稿という設計は、投稿を見逃すプレッシャーを軽減し、SNSによる倦怠感を感じにくくしている点も見逃せません。投稿頻度が制限されているため、「常にチェックしなければ」といった強迫観念から解放され、より健全なSNSとの付き合い方ができます。実際、多くのユーザーが「見栄を張らなくていい」「周りも同じように“普通”の日常だと少し嬉しい」などと感じているようです。

インフルエンサー文化や商業的な投稿への新たな価値提案
完璧に編集されたコンテンツや自己演出に疲労を覚えるユーザーは、SNS上での承認欲求へのストレスや、他者との比較が自己肯定感の低下などに疲れを感じている割合が多いZ世代を中心に増加しています。ユーザーだけではなく企業も従来の「映え」を追求するプロモーションから脱却し、BeRealのような場で、ブランドのありのままの姿や、製品・サービスのリアルな利用シーンを共有することで、Z世代との深いエンゲージメントを築く新たな機会を見出すことができるでしょう。

日常の何気ないひとコマを共有する
BeRealのコンセプトで作られた環境により、「普通の一日こそが特別」という新しい価値観が生まれ、日常の小さな幸せや気づきを大切にする文化が育まれています。なんでもない日の一コマを共有することで、普段会えない友達でのつながりを感じる安心感や会話のきっかけになる楽しみを感じることができます。

BeRealの今後の可能性

BeRealがZ世代を中心に急速に広がった背景には、SNSでのコミュニケーション疲れや「本音でつながりたい」というユーザー心理がありました。今後も、SNSの“映え文化”や過剰な自己演出に疲れる生活者が増えることで、BeRealのような真正性を重視したサービスへのニーズはますます高まるでしょう。

今、飾り気のない本音のつながりをZ世代の多くが求めています。BeRealはリアルかつクローズドな全く新しいプラットフォームであるため、広告主も“見せ方”より“付き合い方”を重視し、日常に寄り添う存在として関係を育てていく姿勢が鍵になります。親近感・素直さ・一貫性を価値軸に置き、ブランドとコミュニティの境界線がにじむような関係性を目指しましょう。
BeRealの台頭は、Z世代を中心に、SNSにおける表現のあり方を「映える」演出から「本音の共有」や「リアルなつながり」を重視するユーザーが増えていることを意味しています。

BeRealが作り出す「リアルなつながり体験」は、生活者との新たなタッチポイントとしてマーケティング手段のひとつとして非常に注目されています。

BeReal広告についてはこちらをご覧ください 

 

この記事の著者

酒井 理子のプロフィール写真

酒井 理子

2022年に株式会社デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(現:株式会社Hakuhodo DY ONE)へ新卒入社。メディアビジネス本部に所属し、メディアコンサルティング担当として媒体社との協業業務を担当。現在X・TikTok・BeReal担当として、媒体社のセールス活動、グループ全体のビジネス推進等に従事。

関連記事

セミナー

メルマガに登録する

Newsletter

メールマガジンでは、企業のマーケティング戦略立案や日々の業務に役立つ、「驚き」と「発見」に満ちた最新情報を定期的にお届けしてまいります。
受信を希望される方は、フォームからご登録ください。

ブログ一覧へ戻る