この回ではオンライン商談における、買い手の購買体験を高める 具体的な価値訴求のパターンをご紹介します。この価値訴求のパターンは大きくわけて4象限に分類できます

縦軸が提供するサービスモデルです。商品形態と言ってもいでしょう。
決まった商品を売っているのか、提案内容は自由に決められるのかというモノサシです。一方、横軸が顧客のニーズの確度です。つまり予め顧客が買うつもりでいるか、そうでないかです。
この場合、上段は顧客によって提案商品は変わりません。

勿論、導入する理由は企業によって異なると言えますが、解決するために活用する商品・サービスは同じになります。
一方で下段は、

当然ですが提案内容は異なります。広告代理店のようにWEBでもTVCMでもなんでも提案できるというサービスがイメージしやすいかもしれません。
この場合、解決する手段やサービスを考えるのも営業の仕事です。
問題の理由が企業によって異なるため、解決方法や提案も多種様々です。
続いて横軸です。

顧客のニーズの切り方でも営業における訴求内容と顧客が知りたいこと(体験すること)は異なります。ニーズが明確であればある程、購買者が知りたいのは他者との比較や、商品の特長や強みです。購買者が感じる課題とのフィット感と言っても良いでしょう。
では、ニーズが顕在化していない場合はどうでしょうか?

まだ購買検討の必要を感じていない顧客への営業活動で大切なのは、商談にによって相手の気付いていない課題を見つけることです。
適切な問い、あるべき姿への主導、問題提起といったコミュニケーションにより、顧客が課題を認め、顧客にとってその課題の解決が重要であることに合意してもらうプロセスが必要なのです。
このようにターゲットセグメントを分類していくと、異なる営業活動を推進していく必要があるのがわかります。
では、具体的に商談においてどのような場面でコミュニケーションが変わってくるのか解説します。
最も違いが生まれるのが課題発見のための「ヒアリング」の目的と役割です。

4象限のヒアリングの役割を解説すると下記のようになります。
|
左上:ヒアリングは顧客のもつ課題の答え合わせ(認識合わせ)程度 左下:競争力を発揮する提案内容を固めるための素材集め 右上:ヒアリングで課題を導き、自社のプロダクトの活用とマッチさせる 右下:ヒアリングで課題を導き、解決策を考えるための情報を得る
|
価値訴求のパターンがいかにして変わってくるのかが、きっとお分かりいただけたと思います。しかし多くの企業や営業組織でヒアリングや提案のプロセスを一色淡で考えているのが事実です。
価値訴求パターン毎の商談プロセスの設計方法については別の機会にご紹介します。
次回は「【第5回】新時代の営業スタイル「シン・セールス理論」~セールスコンテンツのつくり方~」をご紹介します。