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広告配信の“経路”を見直す時代へ。Google「Buyer Direct」が実現する透明性と高純度なデータ連携

執筆者
砂田 和宏
この記事は約1分で読めます

運用技術やデータ活用の進化により、デジタル広告のターゲティングや配信最適化の精度は高まってきました。その一方で、予約型・運用型・成果型など取引形態が多様化し、複数のシステムや事業者を介した配信が広がるなかで、取引経路の透明性や中間コスト、データ連携の品質をどのように担保するかが、重要なテーマになっています。

こうした状況をふまえ、Hakuhodo DY ONEは、Googleの新たな広告取引モデル「Buyer Direct」の検証を進めています。広告主とプレミアムメディアを短い経路でつなぐことで、透明性の高い広告配信と、機械学習や自動最適化の精度を支える高品質なデータ連携の実現を目指します。

本記事では、GoogleBuyer Direct」の概要と、Hakuhodo DY ONEの実証実験で見えてきた成果、そして今後のメディアバイイングに求められる視点について解説します。

1. デジタル広告はなぜ「経路」を見直す局面にあるのか

デジタル広告市場では、予約型、運用型、成果型など、目的や手法に応じた多様な広告取引が発展してきました。広告主はターゲティングや効果測定を活用しながら、より精緻なマーケティング活動をおこなえるようになっています。

一方で、広告が生活者に届くまでのサプライチェーンは複雑化しています。複数の事業者やシステムを経由することで、どこにどのようなコストが発生しているのか、どのような経路で広告が配信されているのかが把握しづらくなるケースもあります。

さらに、データがDSP、SSP、アドエクスチェンジ、アドネットワークなど、複数の経路を通ることで、データの鮮度や精度に影響が生じる可能性もあります。これは、広告配信の最適化だけでなく、今後のAI活用においても重要な論点です。AIによる広告配信の高度化が進むほど、学習や判断の基になるデータの品質は、配信成果を左右する重要な要素になります。 

2. Google「Buyer Direct」とは

GoogleBuyer Direct」は、広告取引をよりシンプルで透明性の高いものにする次世代広告取引モデルです。広告主が持つデータと媒体社の広告枠をGoogle Ad Managerによって直接接続することで、広告取引の透明性や効率性を高めることを目指しています。

01_広告配信の“経路”を見直す時代へ。Google「Buyer Direct」が実現する透明性と高純度なデータ連携

Hakuhodo DY ONEは、GoogleBuyer Direct」のパートナーとして実証実験を進めており、日本市場における有効性を検証しています。特に注目されるのは、広告取引の最短経路化による「透明化・高純度化」と、将来的な「自律化」の可能性です。

Buyer Direct」は、広告主の意図やデータを、より純度の高い状態で媒体へ届けるための基盤です。AI時代の広告取引を支えるインフラとしての役割も見込まれます。

3. なぜ「最短経路」が重要なのか

広告取引の経路が複雑になるほど、中間コストが発生しやすくなり、配信実態も把握しづらくなります。また、複数のシステムを経由することで、オーディエンスデータや配信データにノイズが入り、ターゲティング精度や最適化の精度、さらにはターゲットへのリーチ拡大に影響する場合があります。
Buyer Direct」が重視する「最短経路」は、こうした課題に対するアプローチです。広告主と媒体社をより直接的につなぐことで、広告主の意図やデータをより高い純度で配信に活かしやすくなります。

また、配信経路の見直しは、生活者の広告体験を考えるうえでも重要です。媒体や配信面ごとに個別最適化された広告配信では、同じ生活者に広告が過剰に接触してしまうことがあります。より統合的に配信を管理できれば、不要な重複接触を抑え、未接触の新規ユーザーへのリーチ拡大にもつながります。

4. 最短経路化で広告成果はどう変わるのか国内ブランドの実証結果

20266月および7月にHakuhodo DY ONEが発表した実証実験では、国内最大級のDMPAudienceOne®」と、Google Ad Managerを最短経路で接続し、プレミアムメディアへの広告配信を実施しました。

株式会社三越伊勢丹様における検証結果

株式会社三越伊勢丹様における検証では、大手新聞社Webサイトにおいて、「Buyer Direct」による配信と従来のDSPを用いたPMP配信を比較しました。その結果、「Buyer Direct」での配信はPMP配信と比較してCTR21.7%向上し、CPC66.3%削減されました。

02_広告配信の“経路”を見直す時代へ。Google「Buyer Direct」が実現する透明性と高純度なデータ連携

株式会社ヤナセ様における検証結果

株式会社ヤナセ様における検証では、複数のビジネス系Webサイトおよび大手新聞社Webサイトにおいて、「Buyer Direct」による配信と純広告を比較しました。
その結果、3媒体にまたがる重複接触をコントロールし、新規リーチが12.4%拡大しました。さらに、ターゲット含有率は18%、CTRは8%向上し、サイト訪問者の平均エンゲージメント率は純広告と比較して34%向上しました。

03_広告配信の“経路”を見直す時代へ。Google「Buyer Direct」が実現する透明性と高純度なデータ連携

株式会社紀文食品様における検証結果

株式会社紀文食品様の配信では、株式会社フジテレビジョン、関西テレビ放送株式会社のプレミアム動画広告枠において「Buyer Direct」を活用しました。
コネクテットTVCTV/OTT/Mobile/Desktopを横断したフリークエンシーの一元管理により、新規ユーザーへのリーチが約20%向上し、広告効果向上への有効性が示されました。

04_挿入画像_BuyerDirect

5. 成果を支える「Buyer Direct」の価値透明性・データ品質・接触設計

一連の実証実験から見えてきたのは、「Buyer Direct」が単に新しい配信手法であるだけでなく、広告取引の経路そのものを見直すための基盤になり得るという点です。
広告主と媒体社をより短い経路でつなぐことで、取引経路の透明性を高め、中間コストの抑制やデータ連携の品質向上が期待できます。また、媒体横断でフリークエンシーを管理することで、同じ生活者への過剰接触を抑えながら、未接触ユーザーへのリーチ拡大にもつなげやすくなります。

こうした価値は、媒体ごとの個別最適にとどまらず、広告接触全体をどのように設計するかという、これからのメディアバイイングの視点にもつながっていきます。

05_広告配信の“経路”を見直す時代へ。Google「Buyer Direct」が実現する透明性と高純度なデータ連携

6. これからのメディアバイイングに求められる視点

これまでのメディアバイイングでは、媒体ごとの配信量や単価、クリック率などが重要な指標として見られてきました。もちろん、これらの指標は今後も重要です。しかし、広告接触が多様化するなかで、媒体単位の最適化だけでは捉えきれない課題も増えています。

たとえば、複数の媒体にまたがって同じ生活者へ広告が過剰に表示されていないか。広告主が届けたいターゲットに、適切な頻度で広告が届いているか。すでに接触したユーザーへの重複配信ではなく、未接触の新規ユーザーへのリーチ拡大に広告予算を活かせているか。こうした視点が、これからのメディアバイイングではより重要になります。

7. おわりに

Google Buyer Direct」は、広告主と媒体社をより短い経路でつなぎ、透明性の高い広告取引と高品質なデータ連携を実現する取り組みです。広告主・媒体社・生活者にとって、よりよい広告エコシステムの構築につながる可能性があります。

Hakuhodo DY ONEは、「Buyer Direct」を活用した次世代の広告取引基盤の整備を進めています。AI活用が進むこれからの広告市場において、マーケターがより高度なブランド戦略立案と生活者への価値創造に注力できる環境づくりを支援していきます。「Buyer Direct」は、そのための選択肢の一つとして、今後の活用が期待されます。

関連リリース

※本記事の挿入画像の一部は生成AIを利用して作成しています。 

この記事の著者

砂田 和宏のプロフィール写真

砂田 和宏

株式会社Hakuhodo DY ONE
シニアエグゼクティブ
メディアソリューション本部 本部長

編集プロダクションやデザインブティックでの経験を経て、2005年にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(現Hakuhodo DY ONE)に入社。入社後は動画メディアの立ち上げや、出版社をはじめとするパブリッシャーのデジタル領域の事業開発に従事。プロジェクトの子会社化による事業経営や、グループ企業の役員、出資先の取締役も歴任。
広告プロダクト開発におけるプロジェクトマネジメントも行い、エンジニアチームを率いLINEのメッセージプラットフォームの開発をリード。その専門性を生かし、広告関連の特許25件を取得。また、テキーラマエストロの資格も保持している。
現在は、株式会社プラットフォーム・ワン取締役副社長、株式会社 ARROVA取締役、株式会社B.I.Garage社外取締役も兼務。

oneder編集部のプロフィール写真

ONEDER編集部

ONEDER(ワンダー)は、株式会社Hakuhodo DY ONEが運営する 「デジタルマーケティングの視点から、ビジネス・社会に『驚き』と『価値』を創出するメディア」です。 デジタルマーケティングを推進する企業の方々にとって信頼できる情報源となり、 ビジネス、ひいては社会の発展に貢献できれば幸いです。

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