本文にスキップする

【総まとめ】シニア×デジタルは、「例外」ではなく「当たり前」に。―進化する令和シニアのスマートライフ【第12回】

執筆者
JAAA REPORTS
この記事は約1分で読めます

2025年度から新シリーズとして「進化する令和シニアのスマートライフ」を連載します。近年、シニア層のデジタル化は急速に進んでいます。本企画では、12回にわたり、シニア×デジタルの変化が市場にもたらすインパクトやビジネスチャンスをひも解いていきます。

※本記事は2026年3月2日にJAAA REPORTSに掲載された記事を転載しております
元記事:https://jaaareports.jaaa.ne.jp/post/senior2025-12

本連載「進化する令和シニアのスマートライフ」では、“シニア×デジタル”が「一部の先進層の話」から「当たり前」になってきていることを、多角的にご紹介してきました。

総じて本連載で示してきたのは、令和シニアが「デジタル弱者」ではもはやなく、生活者として合理と好奇心を両立させながら、検索し、比較し、参加し、共有する存在へ変化しているという事実です。SNS利用率の急伸など、その変化はより顕著になってきているように思います。この“変化した前提”に合わせて、商品・サービス・コミュニケーションをどう再設計するか——シニアを年齢で区切るのではなく、現実の生活者の一人として捉えることが重要です。

ここからは、連載で扱ってきた内容を改めて一覧で振り返ります。

第1回:急伸長するシニアのデジ活
60代のスマートフォン保有・インターネット利用の伸長を起点に、「デジタルデバイドされてきたシニア世代」から変化してきており、「シニア×デジタル」が例外ではなく“前提”になっている。

第2回:シニアの「世代」が変化している?〜かつて「新人類」と言われた令和のシニア
いまの60代が“団塊”一括りではなく、かつて「新人類」と呼ばれた世代へ入れ替わっている点に注目。若い価値観を内包する世代交代が、デバイス選好や消費姿勢にも影響する――つまり「高齢者向け」だけを前提にすると生活者の実態とずれが生じる場合がある、という論点を提示。

第3回:令和シニアの1日〜60代のメディア接点〜
令和シニアの1日を追い、起床直後のヘッドラインチェックから隙間時間の深掘り、家事中の動画視聴まで、スマートフォンが朝晩の定番インターフェースとして定着し、従来型の「マスメディア中心」から、マス・デジタル・リアルの複合的メディア接点を構築している様子を紹介。

第4回:令和シニアの検索トレンド(2025年上半期)
退職後の制度・資産形成、美容・趣味・孫関連イベントなど、デジタルメディア利用率の高い令和シニアの関心やトレンドを、検索動向から読んでみる方法を提示。

第5回:注目を集めるシニア世代のインフルエンサー「グランフルエンサー」
シニアがデジタルメディアにおいても“受け手”に留まらず、発信・共感・コミュニティ形成の担い手になりつつあるトレンドを紹介。

第6回:シニアは本当に節約思考?——令和シニアの「現役感」あふれる消費ポテンシャル
「節約一辺倒」ではなく、体験・学び・推し活など“現役感のある消費”が市場を動かす論点を提示。

第7回:60代に人気のサービスは?〜Webサイト編〜
第8回:日本の中高年はゲーム好き?〜アプリ編〜
実際のWeb行動データで、令和シニアのWeb行動を棚卸し。検索・ニュース・購買・イベントなど「情報収集への行動」などを可視化。さらにゲームを含むアプリ領域でも日米のシニア〜ミドルシニア(50歳以上)のスマホゲームプレイ層を比較。10年以上続くロングセラータイトルを中心に、世代を超えて支持されるサービスの秘訣を分析。

第9回:令和シニアのSNS最新動向2025—なぜ60代にInstagramが選ばれているのか
60代のInstagram利用率、前年比+12.1ポイント上昇に注目し、60代に選ばれるSNSのポイントを“発見型SNS”としての強さ、趣味・ライフスタイルとの親和性、余白時間の拡大とともに分析。

第10回:「シルバー」を超えて、「ゴールデン」へ。
~人生100年時代、デバイスを「翼」に変えるスマートライフ進化論
株式会社博報堂 生活者発想技術研究所 100年生活者研究所 大高 香世所長から、「人生100年時代」を“老後リスク”ではなく“希望”として捉え直すために、巣鴨でのカフェ運営など対話型フィールドワークを重ねてきた研究所の視点から見えてきた新たな令和シニア像をご紹介いただきました。

第11回:令和シニアのウェルビーイングを高める「夢中のチカラ」―博報堂生活者発想技術研究所×WOWOW「夢中のトビラボ」共同研究レポートより―‍
株式会社博報堂シニアビジネスフォース 新大人研 安並 まりや所長から、令和シニアのウェルビーイングを高める鍵となる「夢中のチカラ」を、大規模調査の結果を交えてわかりやすく紐解いていただきました。

 

「2040年問題」が現実味を増しています。「2040年問題」とは、第2次ベビーブーム世代(団塊ジュニア世代)が高齢者となり高齢者人口がピークになる一方で、現役世代が急減し、医療・介護などの社会保障課題が一気に重なる危機のことです。2037年頃には国民の3人に1人が65歳以上、2040年には高齢者が全人口の約35%に達すると見込まれています。

世界に先駆けて超高齢社会を走る日本にとって、シニアのスマートライフは単なる「便利」の話ではありません。自立を支え、孤立を減らし、現場の負担を軽くする——その積み重ねが、社会の持続性に直結します。

いまやシニア世代にとってもデジタルは当たり前の時代に入りつつありますが、その広がりは「前向きなデジタル化」だけで進んでいるわけではありません。たとえばマイナ保険証のように、「デジタル化しないとサービスを受けにくい」という切実な声があるのも事実です。だからこそ、つまずきを減らし、続けやすくし、自然に広がっていくように設計する視点が、サービス提供側には欠かせません。

検索し、比較し、参加し、共有する——令和シニアのリアルな行動から逆算して、商品・サービス・コミュニケーションを磨き直す。ここをハックしていくことで、令和シニアのスマートライフは確実に拡大します。そしてその拡大は、個々のウェルビーイングを高めるだけでなく、医療・介護の逼迫や孤立といった社会課題の緩和にもつながっていく。だからこそ、この市場を「成長領域」として、もっと強く伸ばしていきたいと考えています。

この記事の著者

JAAA REPORTSのプロフィール写真

JAAA REPORTS

JAAA REPORTSでは、日本広告業協会(Japan Advertising Agencies Association)からの情報を発信しています。広告ビジネスに関する最新動向やトピックス、協会の多岐にわたる事業活動などをお届けします。

吉川_pc_リサイズのプロフィール写真

吉川 真紀子

令和シニア研究所 リーダー

10年以上にわたりデザイナー・ディレクターとして運用型広告に携わる。
現在は、テレビCMやWebCMなどの動画広告を中心に、クリエイティブディレクションに従事。確実に広告成果を上げる運用型テレビCMを得意とする。
2024年に「令和シニア研究所」を立ち上げ、シニア層のデジタルメディア活用やオンライン行動を分析。令和時代のシニアライフが活発で多様であることを明らかにし、シニア層向けのマーケティング活動を推進している。

関連記事

セミナー

メルマガに登録する

Newsletter

メールマガジンでは、企業のマーケティング戦略立案や日々の業務に役立つ、「驚き」と「発見」に満ちた最新情報を定期的にお届けしてまいります。
受信を希望される方は、フォームからご登録ください。

ブログ一覧へ戻る