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検索から「相談」へ。ChatGPTの広告で捉える、生成AI時代の新たな広告接点

執筆者
西城 晴
この記事は約1分で読めます

生活者が商品やサービスを選ぶとき、検索エンジンでキーワードを入力するだけでなく、ChatGPTのような生成AIに「相談」する行動が広がっています。目的や悩み、予算、制約条件を自然な文章で伝え、比較検討や意思決定のヒントを得る。この行動変化は、企業にとって「新たな広告接点」の誕生を意味します。本記事では、ChatGPTの広告概要、従来の検索広告との違い、活用に向いている商材、運用上のポイントを解説します。

検索から「相談」へ。購買行動はどう変わっているのか

AI利用者の4割以上が「AIの提案」から行動を開始する時代へ

生活者の情報収集行動は、キーワード検索から、より自然な「相談」へと広がっています。現在のChatGPTの週間アクティブユーザーは、9億人を超えています。

従来の検索では、「大学 寮 必需品」「雨の日 スニーカー」といった断片的なキーワードを入力し、自ら複数のWebサイトを比較するのが一般的でした。一方、ChatGPT上では「息子が秋から大学に進学する。狭い寮に入るので、持ち物は買いすぎず必要なものを揃えたい」といった、目的・背景・制約を含む具体的な相談がおこなわれます。

つまり、ChatGPTの会話には、従来のキーワード検索だけでは捉えきれなかった目的や条件、比較検討の観点が自然な文章で表現されることがあります。生活者がまだ商品名を明確に決めていない段階でも、課題や状況はすでに言語化されている場合があります。

(図1:検索から「相談」へ。購買行動はどう変わっているのか)

ChatGPTの広告とは?キーワードではなく「会話の文脈」に基づく広告

「キーワードの一致」ではなく「会話の文脈や意図」に基づくマッチング

ChatGPTの広告は、ChatGPT上の会話の文脈や意図との関連性に基づいて表示される広告です。従来の検索広告のように、特定のキーワードに一致したら広告を表示するのではなく、チャットスレッドで調べている内容や比較検討の意図との関連性を踏まえて広告表示が判断されます。

広告は、ChatGPTの回答に影響を与えるものではなく、回答とは明確に区別され、広告枠として表示されます。日本国内でのパイロットローンチ時点では、テキストと画像を組み合わせたチャットカード形式が基本ですが、小売業種などでは承認を得たうえでフィード形式を利用できる場合があります。

また、広告はプライバシーに配慮して設計されています。広告主や運用者に、ユーザーの会話内容、チャット履歴や個人情報が共有されることはありません。運用者が確認できるのは、表示回数やクリック数などのキャンペーン、広告グループ、広告単位の基本指標に限定されており、個別の会話内容や表示理由などの詳細は開示されません。

02_検索から「相談」へ。ChatGPTの広告で捉える、生成AI時代の新たな広告接点

(図2:ChatGPTの広告表示イメージ)

 

従来の検索広告と何が違うのか

相談の文脈や意図に合った、ユーザーの「多層的なニーズ」へのアプローチ

検索広告は、すでにニーズが顕在化し、ユーザーが特定のキーワードで検索しているタイミングに強みがあります。一方で、ChatGPTの広告は、ユーザーがまだ選択肢を整理している段階や、課題を相談している段階に関連性の高い情報を届ける機会があります。

たとえば、ユーザーが「週末のデートスポット」を相談している場合、単に場所を探しているだけでなく、レストラン予約や移動手段、予算、雰囲気など、次の行動につながる文脈が含まれている可能性があります。ChatGPT の広告では、現在のチャットスレッドで話題になっている文脈や意図との関連性に基づく広告表示が可能になります。

このため、ChatGPT の広告は検索広告に置き換わるものではなく、検索広告を補完する新たな購買チャネルとして捉えるのが適しています。検索広告が「顕在化したニーズ」に強い一方、ChatGPT の広告は「相談・比較検討中のトピックや意図」に接触できる可能性があります。

(図3:従来の検索広告との違い)

成果を左右する運用ポイント:コンテキストヒントと会話型クリエイティブ

会話に馴染む自然なコピー

ChatGPT の広告運用で特に重要になるのが、「コンテキストヒント」です。コンテキストヒントとは、どのような想定される会話で広告を表示すべきかを示す設定要素です。

従来の検索広告では、キーワードの選定やマッチタイプの設計が重要でした。しかしChatGPT  の広告では、キーワードの羅列ではなく、ユーザーの会話の文脈や意図をどれだけ具体的に捉えられるかが成果を左右します。

たとえば、不動産売却の広告であれば、コンテキストヒントに「不動産 売却」といったキーワードだけを設定するのではなく、「自宅や所有不動産が今いくらで売れるのかを知りたい」「相続した家をどうすればよいか迷っている」といった、ユーザーがChatGPTに相談しそうな背景まで具体化し設定することが重要です。

クリエイティブも、従来型の広告文をそのまま流用するだけでは十分ではありません。ブランド名やキャンペーン訴求を強く押し出すよりも、ユーザーの質問に自然に馴染むようなコピーが有効です。ChatGPTの広告は会話の流れの中で表示されるため、「ユーザーの課題解決に役立つか」という視点がより重要になります。

画像・LPの継続的な比較検証

また、画像やLPの継続的な比較検証も広告運用における重要なポイントです。

商品単体・ライフスタイル・ブランドイメージなど、商材や業界に合わせて複数の画像パターンで A/Bテストを繰り返し、最適な組み合わせを特定することが成果の最大化につながります。また、遷移先となるLPについても、会話の文脈に沿った内容となっているかを定期的に検証することが重要です。

(図4:成果を左右する運用ポイント:コンテキストヒントと会話型クリエイティブ)

ChatGPTの広告と相性の良い商材・活用シーン

自社商材が「ChatGPTに相談されるカテゴリーか」を見極める

ChatGPTの広告は、ニッチ商材、高関与商材、比較検討型商材と相性が良いと考えられます。条件に応じた調査や細かい相談が必要な商材ほど、ユーザーはChatGPTに相談しやすく、その文脈に沿った広告接点を持ちやすいためです。

たとえば、不動産、旅行、SaaS、教育、専門サービス、ECの一部のカテゴリーなどは、ユーザーが複数条件を比較しながら検討するケースが多く、ChatGPTの広告の強みが発揮されやすい領域です。

一方、すでにブランド想起が強く、ユーザーが直接ブランド名で検索するような商品では、従来の検索広告や指名検索のほうが効率的な場合もあります。したがって、ChatGPTの広告導入時には、自社商材が「相談される商材」かどうかを見極めることが重要です。

(図5:ChatGPTの広告と相性の良い商材・活用シーン)

OpenAIのAds Manager BetaとCriteoなどのテクノロジーパートナーを通じた配信の考え方

検証目的と運用体制に合わせた最適な配信ルートの選定

ChatGPTの広告には、OpenAIが提供するAds Manager Betaを通じて直接キャンペーンを作成・管理する方法に加え、Criteoなどのテクノロジーパートナーを通じて配信する選択肢もあります。現時点では、それぞれに特徴があります。

Ads Manager Betaを利用する方法は、コンテキストヒントを用いてキャンペーンを直接設計・管理したい場合や、Ads Manager Betaのレポートでコンバージョン測定を活用したい場合に向いています。また小売業種では、商品フィードを活用したキャンペーン作成機能を利用できる場合があります。

一方、Criteoなどのパートナーを通じた配信は、すでにCriteoを活用している広告主にとって、配信面の一つとしてChatGPTでの広告を追加しやすい点が特徴です。小売以外でもフィード配信を活用したい場合や、まずは接触ポイントを確保して検証したい場合に適しています。なお、配信設計に直結するようなキャンペーン予算、入札設定、クリエイティブ設定、審査等はテクノロジーパートナー側の広告システムが用いられる一方で、OpenAI側のシステムも配信可否判断に関与します。 利用できる機能や対象は、提供状況や広告主の条件により異なる場合があります。

どちらが適しているかは、目的、商材、既存の運用体制、計測要件によって異なります。マーケティングの目標だけでなく、検証設計や出稿ハードルも踏まえたうえで配信経路を選択することが重要です。

(図6:ChatGPT直配信とCriteo経由配信の考え方)

Hakuhodo DY ONEが支援できること

アカウント設計から効果検証まで、AI時代の広告運用をトータルサポート

Hakuhodo DY ONEは、OpenAIより日本市場のパイロットローンチにおける国内ローンチパートナーとして選定され、先行配信の知見を蓄積してきました。検索広告やAI領域で培ってきた運用力を活かし、ChatGPTの広告アカウント設計、コンテキストヒント設計、クリエイティブ開発、効果検証まで一貫して支援します。

また、博報堂DYグループ開発の独自ツール「CREATIVE BLOOM TEXT Ads」を活用し、LPのURLから商材特徴を読み解いたうえで、ChatGPTとの会話で想定されるユーザーの関心や相談文脈を整理。コンテキストヒントや広告文のアイデア出しに役立てています。生成AI時代の広告では、ユーザーの会話に自然に馴染む設計が欠かせません。Hakuhodo DY ONEは、先行検証で得た知見と独自ツールを活用し、広告主ごとに最適なデータドリブン戦略を設計します。

(図7:博報堂DYグループ開発の独自ツール「CREATIVE BLOOM TEXT Ads」管理画面)

まとめ : 生成AI時代の広告接点を、いち早く検証する

一般化するAI利用に合わせ、早期に自社の「勝ち筋」を確立する

ChatGPTの広告は、生活者が生成AIに相談しながら商品やサービスを選ぶ時代において、企業にとって比較検討中のユーザーと接点を持つための新しいチャネルです。

従来の検索広告が捉えてきた顕在ニーズに加え、ChatGPTの広告では、現時点では具体的な検索行動に至っていない悩みや条件、背景にアプローチできる可能性があります。その成果を高めるには、キーワード発想から一歩進み、ユーザーの会話や文脈を設計する運用力が求められます。

生成AIを活用した情報収集や購買行動は、今後さらに一般化していくと考えられます。新たな広告接点をいち早く検証し、自社にとっての勝ち筋を見つけることが、これからのマーケティングにおける重要な一手になるでしょう。

 Hakuhodo DY ONEは、今後もChatGPTの広告をはじめとする生成AI時代の新たな広告接点を早期に検証し、得られた知見をもとに、クライアント企業のマーケティング支援につなげていきます。

この記事の著者

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西城 晴

入社後はメディアプランナーとして、純広告からダイナミック広告まで幅広い領域において、媒体社との協業業務を担当。現在はChatGPT・Criteoを中心に、媒体社のセールス活動や社内向けのメディア情報発信、データフィードやタグ導入支援等に従事。

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